セックスをタブー視し、世界基準の性教育を行わないニッポン。日本人の多くはセックスに関する正しい知識どのくらい持っているのでしょうか?知らないからこそ思い悩み、性に対して臆病になってしまう、そんな日本人たちへ向けて、男女の真髄を知り尽くす、ラブエキスパートの神田さゆり先生に、セックスについて教えていただきます。第三回は“男からの呪いの言葉に惑わされないで”です。
経験&知識不足の男性からの呪いの言葉を鵜吞みにしてない?
前回までは“自分の体を知ることが大切”とお伝えしてきましたが、性の悩みの相談を聞くたびに「自分の身体を知らない」と同時に「知っているつもりの思い込み」も多いなぁ~と思っています。例えば「私って感じないタイプなんです」とか「腟が狭いんです」とか「中イキしないタイプなんです」などと言われるのですが。
いやいやいや・・・それ誰が決めたん?!そもそもそういった込み入った内容って他の人と比較が中々できない部分ですよね?例えば友人同士でお互いの腟に指を挿れあって「〇〇ちゃんの腟狭いねー!」なんて確認している方なんてまずいないと思います。なのにこんな思い込みが生まれるのはなぜでしょうか?
それは・・・これまでのお相手である男性の個人的意見に女性が大きく影響されてしまっているからです。特に10代や20代の性経験が浅い頃に言われた言葉は、その後の性生活に大きく影響を与えます。例えば挿入がうまくいかなかった時。
女性の腟内をしっかり濡らしてほぐれた状態にできていない男性から「腟狭いね」とか「君って感度がイマイチだね」などの無神経な言葉を言われショックを受けて「私って感度が悪いんだ」「腟が狭いんだ」と鵜呑みにしてしまう方も多いのです。しかしながら実はそんなことを言う男性側こそが知識不足、経験不足なわけで、それは何の参考にもならない、ただの無神経な言葉なのです。
呪いの無神経語録たち
もしこれまであなたが以下のようなことを男性に言われて気にしているのなら、それはその男性の方が知識不足、勉強不足の勘違い野郎でしかありません。
- 君ってあんまり感じないんだね
- 中イキできないタイプだね
- 腟が固いね、狭いね、締まらないね、緩めだね
- 濡れないタイプだね
- 潮吹きしないんだ
- イキにくいね
- 反応が普通と違うね
- アソコが刺激に弱いんだね
- この体位は君に合わないんだよ
- 前の彼女は気持ち良いって言ってたよ
実は、私の本を読んだ女性たちから度々聞く言葉があります。それは「さゆり先生の本を読んで、今までセックスが上手くいかなかったのは私だけの責任じゃなかったんだってわかって安心できました!」
そうなのです!多くの女性が知識不足、勉強不足の男性とのセックスで上手くいかなかったのを「私のせいだ」と思い込んでいるのです。書籍の帯にも「日本人男性は、セックス下手が9割」って書いていますけれど、このコピーは多くの女性からは賛同をいただきましたが、正直男性には中々厳しい言葉だったようです。女性たちの称賛とは裏腹に、プライドだけは高く女性を学ぼうのしない残念な男性たちからたーっくさんのアンチコメントをいただきました。「君たち、そういうとこやぞ」
日本人男性の9割が知識不足
では何故彼らはそんな呪いの言葉を女性にかけてしまうのでしょうか?誰だって本当は好きな女性を悲しませたり不安にさせたいわけではありません。しかし実際に無神経語録を発しまくっている男性が多いのも事実です。女性は男性から無神経語録が出てしまう本当の理由を知っておきましょう。それはおおよそ以下の3つによるものです。
- AV脳で本当にそう思っている
AVをお手本にしている男性からすると、女優さんたちのようにとにかくペニスを挿入されたら「ああ~ん!気持ちいい~!」となったり、ガシガシ腟を刺激してピューと潮吹きをするのが感じる女性の当たり前の姿なんだと本気で思っている。この手の方に出会ったら、必ず私の本を勧めてください。
- 無駄にプライドが高い
これも中々厄介ですが、これまで女性と深く向き合ったことがない男性は、誰からもちゃんとしたフォローバックを貰えておらず、自分のセックスが下手だと認めたくない。なので、反応が悪いと「俺のセックスのやり方が問題なのではなく君の感度が悪い」と脳内変換で自分のプライドを保つ習性があります。うーん、めんどくさい!
- 以前のパートナーに影響されすぎ
男性にも以前のパートナーからの刷り込みや思い込みが発生しています!深く付き合った女性が中々個性的でそれが女性のスタンダードだと思い込んでいるパターンです。例えば「女性はみんな騎乗位だとイク」「必ずアナルと同時責めが良い」「女性は好きな男の唾液を飲むのが好き」「精液を飲むのが好き」「潮を吹かせたら喜ぶ」など、完全な思い込みを女性のデフォルトだと思っているパターン。そういえばフェラチオしていたら必ず「美味しい?舐めたかった?」とか聞いてくる人がいますが、あれも以前の女性が「ほいひぃ~♡にゃめたかった」と、まさにリップサービスしてくれた結果なんだろうな、と思っています。
さてさて、このようなことを書いてると「じゃあすべて男性の責任じゃん!」なんて言いたくなるかもしれませんが、セックスは2人でするものです。お互いの性の世界を作り上げ、紡ぎ、循環させるものです。
どちらかだけの責任ではありません。もしあなたのパートナーが無神経語録を発言してしまうようならば「そんなふうに言われると悲しい」ときちんと気持ちを伝えましょう。このタイプの男性は、知識不足なのにプライドだけは高く、つまりは幼児性が強いのです。きちんと伝えないと自分の無神経さや未熟さにいつまでたっても気づけません。え?言いづらい?なるほど。それでは次回は全ての女性が性について男性に本音を話せるようにするにはどうしたらいいか、お伝えします。