セックスレスは多くのカップルにとって深刻な問題です。特に「時間がない」「疲れている」といった理由から、セックスの優先順位が下がってしまうことが増えています。本記事では、セックスレスを予防するための「インスタントセックス」と「スローセックス」の効果的な使い分けについて解説します。
セックスレスとは?その定義と現状
セックスレスの定義
日本性科学会では、「特別な事情がないにもかかわらず、1カ月以上セックスや性的接触がない状態が続き、その後も長期間に及ぶことが予想される場合」をセックスレスと定義しています。
日本家族計画協会の『ジャパンセックスサーベイ2020』によると、夫婦の約50%以上がセックスレス状態にあることが明らかになりました。

セックスレスの主な原因
セックスレスの背景には、さまざまな心理的・身体的・環境的な要因が複雑に絡み合っています。以下は、特に多くのカップルに共通する代表的な原因です。
- 心理的なストレスやプレッシャー
仕事や育児、人間関係などによる日常的なストレスは、性欲の減退を引き起こしやすくなります。また、「応えなきゃいけない」「誘われるのが怖い」など、セックスにまつわるプレッシャーが心理的負担になっているケースもあります。 - 生活習慣のズレ
寝る時間や起きる時間、休日の過ごし方がパートナーと異なると、自然とスキンシップや性行為の機会が減少します。忙しさからすれ違いが起き、「タイミングが合わない」という声もよく聞かれます。 - セックスに対する価値観や欲求の違い
「週1回はしたい」「なくても平気」など、性に対する考え方や欲求の強さは人それぞれ。どちらか一方が我慢していると、不満が積もり、関係に影響を及ぼすこともあります。 - 身体的・ホルモンの変化
年齢や体調の変化、妊娠・出産、更年期障害などは、性欲や性的快感に影響を与えることがあります。男性の場合は勃起不全(ED)、女性の場合は膣の乾燥など、身体的な不調が原因でセックスが遠のくこともあります。 - セックスに対する不安・トラウマ
過去の嫌な経験や、自分の身体に対するコンプレックスなどから、セックスに対して前向きになれないケースもあります。とくに「うまくできるか不安」「相手を満足させられるか不安」といった思いは、行為を避ける原因になりがちです。
セックスレスの背景には、ひとつの理由だけでなく、心や体、日常の習慣などさまざまな要因が重なり合っています。
使い分けがセックスレス予防に効果的なワケ
「今日は疲れているけれど、少しだけ触れ合いたい」「時間がある休日はゆっくり愛し合いたい」そんな日々のコンディションや気持ちに合わせて、セックスのスタイルを柔軟に変えることは、無理なく関係を続けるためにとても有効です。
インスタントセックスは、時間や体力に余裕がないときでもスキンシップの延長として“つながり”を感じる手段になり、セックスへの心理的ハードルを下げてくれます。一方でスローセックスは、パートナーとの丁寧なコミュニケーションや快感の共有を深めることで、心の絆や性的満足度を高める効果があります。
この2つを状況に応じて使い分けることで、「できなかった」「誘えなかった」といった罪悪感や断られる不安を減らし、セックスそのものへのポジティブなイメージを保ちやすくなります。それが、結果的にセックスレスを防ぐ大きな助けとなるのです。
インスタントセックスとスローセックスの使い分け
1. 相手の体調と気持ちを観察し使い分け
セックスは一方的な行為ではなく、パートナーの状態を考慮することが大切です。疲れているときは短時間で満足できるインスタントセックスを、余裕があるときはじっくりとスローセックスを楽しむなど、バランスを取りましょう。
2. 平日はインスタントセックスで手軽に親密度アップ
時間がない平日は、短時間で終わるセックスを取り入れると、無理なく性生活を維持できます。
- メリット:
- 忙しくてもセックスの習慣を維持できる。
- お互いに負担が少なく、気軽に楽しめる。
- 性的なつながりをキープしやすい。
女性から「今日は短めのエッチにしようか?」と提案することで、男性もプレッシャーなく受け入れやすくなります。ただし、本当に疲れている場合は無理をせず、休むことも大切です。
3. 週末はスローセックスで深い快感を楽しむ
休日や時間に余裕があるときは、スローセックスを取り入れましょう。長時間の前戯や愛撫を通じて、お互いの快感を最大限に高めることができます。
- ポイント:
- 前戯を通常の数倍の時間をかけて丁寧に行う。
- いきなり挿入せず、焦らしながら感覚を研ぎ澄ます。
- スキンシップやマッサージを取り入れ、リラックスした状態を作る。
スローセックスは、普段とは異なる刺激を与えることで、マンネリを防ぎ、セックスの質を向上させる効果があります。

スローセックスの具体的な方法
1. スキンシップから始める
手を握る、ハグをするなどの軽いスキンシップから始めましょう。愛情を伝えることで、心の距離を縮めることができます。
2. 前戯をじっくりと楽しむ
いきなり性器に触れるのではなく、上半身からゆっくりと愛撫していきます。普段触れない場所にも意識的に触れることで、新鮮な刺激を与えることができます。
3. 挿入を焦らず行う
十分に前戯を行った後、ゆっくりと挿入し、相手の反応を確かめながら進めます。激しい動きに頼らず、快感をじっくりと味わうことが大切です。
まとめ
セックスレスを防ぐためには、パートナーの状態に合わせて「インスタントセックス」と「スローセックス」を使い分けることが重要です。
- 平日は短時間で手軽に楽しめるインスタントセックスで親密さを維持。
- 週末はじっくりとスローセックスを取り入れ、マンネリ化を防ぐ。
- お互いの気持ちや体調を考えながら、無理のない形で性生活を継続。
日々の生活の中で、パートナーとの関係をより深めるために、ぜひ試してみてください。
パートナーとの関係でお悩みがあれば、オトナのお悩み保健室へご相談ください。
コメント