4度の離婚を経験した円満離婚弁護士の原口未緒先生が結婚について法律的な視点やご自身の経験などに基づき時事的な観点も入れながらコラムを連載します。第三回は未緒先生が主催するLINEオープンチャットについて。
離婚相談LINEオープンチャット開設のきっかけはお客様
私は女性限定の離婚相談『【女性限定】離婚を真剣にする人を熱く応援するチャット』というLINEオープンチャットを主宰しています。きっかけは、お客様でした。
税理士などの専門家がLINEオープンチャットを開設し、そこで相談を受け付けることで集客を行っているので未緒先生もやってみたらどうですか、と勧めてくださったのです。2022年の1月に開設したと記憶していますので、3年近くが経とうとしています。
開設してみると、まるでAIに質問するかのように弁護士の私に対する質問が次々に浴びせられる結果になりました。
考えてみれば無料で弁護士に相談できる場ということもあり、ニーズは高かったのだと思います。
ですが私は離婚を思い悩む女性の方々の自由な対話の場にしたいという思いが強かったため、開設当初は過去に私に離婚弁護の依頼や相談をしていただいた方々にお声がけしました。
そうすることで離婚経験者である先輩たちが参加者となり、離婚を考えている人の良き相談相手として貴重な実体験に基づくアドバイスを提供できる有意義な場になると思っていました。
実際に離婚を体験した方の赤裸々な話が聞ける場所というのはそう多くはありませんからね。
離婚を考えている人はオンラインで相談できる場を求めている！？
しかし蓋を開けてみれば私に質問が集中するという事態になり、それでは意味がないと思い一時期は弁護士であることを伏せて一般の参加者を装って発言をしたり、ただの管理人になったりしていました。
ですが今は時折出てくる法律や弁護士に関する話題に、私が主催していると知っている方も参加されている中で、知らん顔をすることに耐えきれず弁護士であるということを明かして管理人をしています。
一定数の参加者数になった後はそう増えることもなかったのですが、チャットのタイトルを現在の『【女性限定】離婚を真剣にする人を熱く応援するチャット』に変えたところ、参加者の数がまた増えるようになりました。
宣伝は全くしていないのですが離婚に悩んでいらっしゃる方は、オンライン相談できる場所を探しているようで、皆さんどのように辿り着くのかわかりませんが、自然と数は増え続けています。
ただのノロケ話も！？それが匿名かつ無料の気軽さ
オープンチャットで相談をされる方々は、「離婚をしたい」とおっしゃっていても現実味が伴わないなと感じる方が多いです。
私もそうですが、すでに離婚をしている離婚経験者や、現在進行形で離婚調停中の方、離婚を真剣に悩んだ結果、乗り越えて修復された方などからしたら、まだまだ本気度が高くないと言いましょうか…。本当に離婚するとなると犠牲になることや、失うもの、決意しなければならないことや、やらなければならないことがとてもたくさんあります。
そういったことに思いを至らせることなく、ただ単に「夫が嫌だから」「夫が嫌なことをするから」という理由で、簡単に離婚をしたいとおっしゃったり、現実がままならないのでただ夫の愚痴を言いたかったり、共感して欲しかったり、夫の愚痴を言っているようでノロケ話をしているのかな？と思う方も多くいらっしゃいます。
そのあたりは匿名かつ無料で気軽に相談することができるオープンチャットという場の特徴なのだと思います。
真剣に離婚について考えた結果「離婚しない」という選択は大いにあり！
そんな経験も踏まえて、あえてオープンチャットのタイトルに“真剣に離婚を”と入れるようにしましたが、それでもまだまだ経験者からすると現実味や真剣味が足りないと感じる発言が多いのが現状です。
実際に離婚を経験し、乗り越え生き抜いてきた人々からすれば、やはり離婚は過酷なのです。だからこそ、これからその過酷な山を登ろうとする後輩たちを真剣に応援したくなるのです。応援する側はとても真剣なのに、門下生がそうでもない、というギャップが生じてしまっていることに歯がゆさも感じますが、離婚という門を通っていく過程で、人生や人間力が磨かれ、強く、たくましくなっていくのかもしれないとも思います。
オープンチャットに参加してくださっている先輩たちの中には、離婚はしなくても夫婦仲を本気で良くしていきたいと家族の再構築を目指して、実際に修復し関係を改善された方もいらっしゃいます。
真剣に離婚を考えた結果、「離婚したいのではなかった」ということが分かったのだとしたら、それは素晴らしいことです。必ずしも離婚がゴールではありません。それぞれの人生の幸せの形にご自身で気がついて、実現していっていただきたいと思っています。そのための足掛かりの場としてオープンチャットを活用していただければと嬉しく思います。
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